Libra ~揺れる乙女心~
昼休みに、英語のノートを借りに行った俺。
理沙は、教育実習に来ていた大学生の先生と2人で仲良く話していた。
話の内容なんてどうでもいい。
俺は、とにかく腹が立って・・・
俺らしくもない行動に出た。
理沙の腕を引っ張って、廊下の一番端まで走った。
「ちょっと!隆介、何よ!」
騒がしい廊下が一瞬静まり返る。
学年で、1、2を争う美貌の持ち主の理沙と、野球部で有名だった俺。
目立つに決まっていた。
教育実習の先生は、ポカンとした顔で俺を見ていた。
狙ってんじゃねぇよ。
俺の彼女って知ってんの?
理沙は言い訳をした。
俺は、いつも冷静で・・・冷めた男だった。
これじゃ、まるで俺が理沙を束縛してるみたいじゃん。
9月の風は、少し寂しくて、夏の終わりを感じて切なくなる。
窓を開けた理沙の前髪に吹き付けた9月の風。