Libra ~揺れる乙女心~


豪華な海の幸を食べた俺たちは、酔っ払う監督のミーティングで、笑ってばかりだった。


酒が強くない監督は、すぐに真っ赤になり、口も回らなくなる。




「じゃあ、後は俺が仕切ります。みんな、今夜は無礼講なんで12時までは楽しく騒ぎましょう!」



影の部長、隆介の一言で、1年生もはしゃぎ出す。





見るなよ、鈴子。


そんな目で隆介を見るな…




「鈴子、ちょっと散歩しない?」


マネージャーと、持ち寄ったお菓子を並べていた鈴子に声をかけた。



別れてからも、俺と鈴子は特別な関係で、誰も俺達が2人でいても怪しむことはない。


鈴子のおかげで新しく入ったマネージャーも、俺を好きになったりはしない。


俺が好きなのは鈴子だって、野球部全員が知っていたから…







< 98 / 180 >

この作品をシェア

pagetop