Libra ~揺れる乙女心~
豪華な海の幸を食べた俺たちは、酔っ払う監督のミーティングで、笑ってばかりだった。
酒が強くない監督は、すぐに真っ赤になり、口も回らなくなる。
「じゃあ、後は俺が仕切ります。みんな、今夜は無礼講なんで12時までは楽しく騒ぎましょう!」
影の部長、隆介の一言で、1年生もはしゃぎ出す。
見るなよ、鈴子。
そんな目で隆介を見るな…
「鈴子、ちょっと散歩しない?」
マネージャーと、持ち寄ったお菓子を並べていた鈴子に声をかけた。
別れてからも、俺と鈴子は特別な関係で、誰も俺達が2人でいても怪しむことはない。
鈴子のおかげで新しく入ったマネージャーも、俺を好きになったりはしない。
俺が好きなのは鈴子だって、野球部全員が知っていたから…