君に溺死
願ってた望んでた
秘密なんて駄目だよ?強がったって、笑っていたって、誤魔化したって。
君は今、泣いてる。
「遥ー、携帯うるせぇよ!!」
頼りないシスコン馬鹿総長の所為で。めーちゃんへの想いに浸る事も出来ずに、数日が経っていた。僕が副総長をしている族の溜まり場で。使えない馬鹿に代わって指揮をとっていると、叫ばれる僕の名前。
逸る鼓動に、溜息を吐いた。めーちゃんと会った日からずっとオカシイ僕の心臓。携帯が鳴る度にソレは続いていて。本当にもう、死んでしまいそうだ。
「もしもし?」
『…ハルカ、さん?』
開いた携帯のディスプレイに知らない番号。ますます逸る鼓動に苦笑いを浮かべて。震える指先でボタンを押す。上擦った声に、自分でも驚いた。
「…めーちゃん?」
機械越しに聞こえる声は、間違いなく僕の愛しい君の声。