君に溺死

全てが面倒クサくてしょうがない。眠る事も。食べる事も。息をする事さえも。

抗争の原因を作ってしまった僕は、下の奴等を引き連れて一番抗争が激しい北エリアに居た。北高生徒を狩りながら強く思う。

僕はまだ「生きてる」。



「…ただいま。」



砂と血でドロドロになった灰色のブレザーを投げ捨てて。死神本拠地のソファに身を沈めた。流石に睡眠不足の体には限界がきたらしい。溜まった疲労に瞳が霞んでゆく。

…眠りたくなんかないのに。

僕を捕らえて離さない君。夢の中でしか逢えないなんて、君は意地悪だね。夢の中でも笑ってくれないなんて、君は酷いヒトだね。



「ー…遥ッ!」



千鶴が呼んでる。

ぼんやりと、開けた瞳にはやっぱり千鶴しかいなくて。眉間に皺を寄せるその顔は、何所か焦りを浮かべていた。



夢の中でしかもう君に逢えない。
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