君に溺死

雨が降るこんな日には。何時もより、君を強く強く想うよ。



『あの場所で待ってる』



送信した画面を握り締めて。激しい音を奏でる軒下で空を見上げた。七回目のデートの約束をした、待ち合わせの雑貨屋。あの日と同じ様に空は黒く染まっていた。

めーちゃんは来てくれるのかな。

びしょ濡れになった特攻服は、色が変わって灰色になっていた。



「…めーちゃん、」



あの日僕は。

君の事を百年くらい待てそうな気がしていたけれど。今はそんな風に思えそうもないよ。

…逢いたい。

一分一秒でも待つのが苦しいよ。早く君に逢いたい。抱き締めたい。好きだ、と何度でも伝えたい。

僕はこんなにも君が好きだよ。
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