君に溺死

僕は我儘だから。

もう、夢の中の君だけじゃ足りない。もう、掴めない君を見るだけじゃ足りない。



「…ハルカさんっ!」



バシャバシャと水を蹴る音。ザァザァと激しく地面を打ち付ける音。僕の名前を呼ぶ愛しい音。



「…めーちゃんっ!」



一つだけ聴こえる音は愛しい君の声。

僕は軒下を飛び出して。かかる雨で霞む瞳に映る君に腕を伸ばした。そのまま君を捕まえて。その存在を確かめる様にキツく抱きしめた。



「…、ごめんなさいっ!」



傷付けてごめんなさい、と。僕を想って泣く君が、酷く愛しい。逢いたかった、と。僕を想って震える君が、酷く愛しい。



「…芽衣ちゃん、愛してるよ。」



こんなにも君を想ってるんだと、伝わればいい。僕は君への想いを言葉にするよ。形にするよ。

ねぇ。君は今、何を想ってる?
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