約束
すでに木原君はテーブルに座り、ケーキを食べていた。
その隣にまだ誰も手をつけていないと思われるセロファンのついた三角形のケーキがある。
脇には銀色のスプーンが添えられていた。隣で食べろということなのかもしれない。そんなことを考えるだけで、目の前がくらくらとしてきてしまっていた。
名前で呼ぶどころの段階ではなくなっていた。
置いてあるケーキとフォークを手に取り、部屋の左手にあるソファに座っている晴実の傍に座ることにした。
晴実は雑誌のページをめくる手を止め、私を見ると呆れたように微笑んでいた。
「一緒に食べればよかったのに」
彼女の言葉に返事ができずに、曖昧に笑っていた。
テーブルにケーキを置くと、ソファに腰を下ろす。
「無理。緊張する」
私は小声でそう答えていた。
彼女の見ている雑誌を見る。少し前に姉の見ていた雑誌によく似ている。
その雑誌の右上に茶色の髪の毛を縦ロールにした女性の姿がピンクの胸元にレースをあしらったワンピースを身にまとっていた。
腰のあたりにあるギャザーが映え柔らかい雰囲気を醸し出す。手にはそれにあわせているのかピンクのショルダーを持っている。
その隣にまだ誰も手をつけていないと思われるセロファンのついた三角形のケーキがある。
脇には銀色のスプーンが添えられていた。隣で食べろということなのかもしれない。そんなことを考えるだけで、目の前がくらくらとしてきてしまっていた。
名前で呼ぶどころの段階ではなくなっていた。
置いてあるケーキとフォークを手に取り、部屋の左手にあるソファに座っている晴実の傍に座ることにした。
晴実は雑誌のページをめくる手を止め、私を見ると呆れたように微笑んでいた。
「一緒に食べればよかったのに」
彼女の言葉に返事ができずに、曖昧に笑っていた。
テーブルにケーキを置くと、ソファに腰を下ろす。
「無理。緊張する」
私は小声でそう答えていた。
彼女の見ている雑誌を見る。少し前に姉の見ていた雑誌によく似ている。
その雑誌の右上に茶色の髪の毛を縦ロールにした女性の姿がピンクの胸元にレースをあしらったワンピースを身にまとっていた。
腰のあたりにあるギャザーが映え柔らかい雰囲気を醸し出す。手にはそれにあわせているのかピンクのショルダーを持っている。