約束
「そんな感じはするかも。明るい家庭でいいな」

「そうかな?」

「そう思うよ」

 それは両親の仲がいいいからだと思う。だが、木原君の両親もそんな感じだった。二人とも木原君のことを本当に心配しているのだと分かったからだ。


「方向音痴って本当なの?」

 昔のイメージの木原君からは想像ができない言葉だったが、今はできてしまうのがおかしい。

「本当。苦手なものばかりで嫌になるよ」

「でも、勉強とか運動ができるから羨ましいよ」
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