Dice
Age 16 : Vo.1 - 入学-
真新しい制服の匂いを嬉しく感じながら母の顔をじっと見つめて。


「変じゃない?」
「この制服とっても可愛い!大丈夫だから」


微笑みながら母は私のリボンを触って髪を撫でた。


腐った中学時代を耐え忍んで、私は地元を離れるため私立の女子高校を受験させてもらった。


友達ができるか、心配だったが一人は慣れてると自分を律した。


式が終わり、新しい教室へと生徒たちが向かう。


母たちは保護者ナントカに参加のために行った。


この高校で私の学科は学校でも一番下のコース。


黒板に張り出された紙で座席を確認する。


「上野 蒼」私の名前。ウエノアオ。


私の席は教室に入って左側、前から5席目。


誰も知らない教室はガヤガヤとうるさく、派手な子達は既に群れだしていた。


私がこのコースを選んだ理由。


それは一つ。「留学」だった。


このコースは高校2年生で1年間優秀な生徒は留学という選択肢を得れるのだ。


長い担任の話が終わり、名前だけを言う自己紹介が終わった。


明日からの予定などを言われて入学式は終わった。


ごく普通の誰でも通ってきた入学式。


それは私の人生の幕開けだった。
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