彩葉唄
「今の私は霧の敵‥」
静かに言葉を紡ぐ、その表情は何処か寂しげで‥悲しげで‥‥
まだ昔の面影が残っている彩葉。
優しくて、臆病で、泣き虫だった。
そんな彩葉が何故、盗賊団なんかに‥
霧夜はただただ、声に出すことなく問い掛け続けていた。
「捕まえないと‥ねぇ?」
彩葉の顔に浮かぶ笑みは、昔と変わらない花が咲いたように優しげなのに。
「霧夜先輩!」
「‥‥‥」
そっと刀に触れた手に力が込められる。