彩葉唄
「いだだだだだっ!ちょ、霧夜先輩‥痛いですよ!」
英総の言葉を霧夜は無表情で無視する。今の霧夜の表情は、そんな言葉は聞こえないとでも言いたげな表情だ。彩葉のことは完璧に忘れている。
「逃げようかな」
彩葉は二人のやり取りを見ながら考えていた。
「待っていろって言ったよな?俺、言ったよなぁ!?」
こめかみをグリグリとしている霧夜の表情は、鬼の如く。
何か殺気が漂ってる気がしたのは、私だけだろうか?
彩葉はそんなことを思いながら歩き始める。英総に気づかれては面倒なことになるだろうし、何か霧夜が恐い。
だから、帰る。
彩葉は帰るのだ。
足速に去っていく彩葉には気づかず、霧夜と英総は口論をしていた。