ひなたぼっこ~先生の、隣~
「先生!」
勢いよく生徒が入ってきた。
「今、補習中だから…」
「今度、皆で花火やるから先生も来てよ!」
人の話を聞けよ…
「…はぁ。お前らで勝手にやればいいだろ?」
「先生が来ないと意味ないの!ね?楓」
「そうだよ!」
「!」
座っている先生の後ろから、楓が抱き着いた。
「暑い…離れろよ」
首に回されている楓の腕を、離そうとするが、なかなか離れない。
「先生!学年一の美女に抱き着かれて喜んでんじゃねーよ」
「アハハ!」
喜んでねぇよ…
無理矢理、楓の腕を離すと先生は立ち上がる。
「無駄話してる暇あるなら、さっさと課題終わらせろ!」
補習中の生徒に向かって叫ぶと、楓達と向かい合う。
「先生が行くって言うまで帰らないから」
楓がじっと先生の目を見て言った。
「…はぁ。…わかったよ」
「本当!?やったね」
「楓、良かったね」
楓の周りにいる生徒が、嬉しそうに言う。
「先生、絶対来てね」
「あぁ。わかったから、早く出てけ」
先生がそう言うと、楓が率いる生徒達は手を振りながら出て行った。