ひなたぼっこ~先生の、隣~



「今日から新学期が始まるが、いつまでも夏休み気分はいかんぞ。気をしっかり引き締めるように」




「「はーい」」




「それと…」




教卓の前に立っている担任が、何やらプリントをあさり始めた。




何かを探しているようだ。





「あ、あった。えー…来月はいよいよ、修学旅行がある。それで、今から実行委員を決めたいんだが…」






前を向いて話しを聞いていると、担任と目が合った。





「そうだな…妹尾!」




ドキン




「はい…?」



急に呼ばれたので、驚いて目を見開く。





「あと…立川!」




「はい」




え…立川くんも?



窓際の席に座っている、立川の方をチラっと見る。



すると、目が合ってしまった。




慌てて視線を前に向ける。




「お前ら、実行委員な」



「!?」



「え…俺ら、体育祭の実行委員もやったんですけど…」




「お前らの仕事っぷりを、俺が認めたってことだよ。そういうことだから、頼むな。あ、担当は高橋先生だから」



ドキン





先生が…





反論は言わせないと早口で用件を言うと、担任は教室から出て行った。






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