ひなたぼっこ~先生の、隣~

┗先生 side













「高橋!ちょっと待ってよ」




妹尾と別れて数日が経った。



「…なんだよ?」


授業以外で妹尾の姿は、あまり見ない。


「今日さ、一緒に帰ろうよ」

「嫌だ」

「なんで!?」

「なんでも…わかったら、さっさと教室戻れ」

「"嫌だ"」

「…同じセリフか?」

「ふふ。高橋のマネ」

「アホか」

「あはは!」



学校での麻生の姿は、他の生徒と変わりない。

無邪気な笑顔で、笑っている。










「高橋せ・ん・せ・い」





イヤミったらしい声が聞こえ、いつの間にか安川が目の前に立っていた。





安川の隣には、気まずい表情をした妹尾ー…





「胸がムカムカするので、保健室で休んでますから。次の授業は、欠席で」


「香奈…」


「行くよ。泰葉」




用件だけ言うと、さっさと去ろうとする安川に連れられ妹尾が引っ張られていく。





チラッと一瞬だけ目が合ったが、逸らしてしまった。




別れたことを聞いた安川はあんな調子だけど、妹尾はー…







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