私と彼の関係
「どうかした?」
「何でもないです」
聞けるっていえば、聞けない。知らないほうがきっと幸せでいられる。
だから、気付かない振りをして、彼がもってきてくれた麦茶を受け取る。
口をつけると、ほっと息をつく。
「準備が整ったら言ってくれたら送るってさ」
「ひとりで大丈夫です。熱もさがったみたいだし」
昨日のようなだるさもすっかりなくなっていた。
まだ少しきついけど、熱があったその名残だろう。
宮野君がじっと私を見る。
「髪の毛ぼさぼさだし、無理をしないほうがいいと思うよ」
私はお茶を抱えたまま、身を怯ませる。
寝起きだから、そうなっていても無理はない。
お茶を飲み終えると、宮野君にコップを返し、それとなく髪の毛を整えてみる。
でも、自分の姿を確認でいないので、どこがどう髪の毛が乱れているのかも分からないけど。