私と彼の関係
「とりあえず熱は下がったみたいだな」


 どきどきしている私とは違い、宮野君は相変わらず涼しい顔をしている。


「飲み物でも持ってくるよ。何がいい?」


「あっさりしたもの」


 できるだけ頭を整理して、すぐに答える。


 彼はわかったというと、あっさりと出て行く。


 私はあたりを見渡した。


 物のない和風の部屋。宮野君の部屋ではないみたいだった。


 車の中で熟睡しちゃったんだ。変な顔をしていて眠っていたりしたらどうしよう。


 そこまで考えて我に返る。


 車から、ここに移動をした記憶は私にはない。


 誰が私をここまで運んできたんだろう。


 宮野君とお母さんだったら、どう考えても宮野君が抱えるよね。


 そのとき、ドアが開いて、宮野君が入ってきた。
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