私と彼の関係
 遠くで見ている間はこんな風に感じることもなかったのに、変なの。


 変な気持ちはほかにもあった。


 暗い気持ちを振り払うため、軽い足取りで曲り角を曲がったとき、髪の毛の長い女の子が目の前に立ちふさがる。


 その子は私を見て、目を丸めていた。


「先輩?」


 ののかちゃんが目を輝かせて、私を見ていた。


「久しぶりです」


 彼女に会ったのはあの試験勉強のとき以来だった。


 あのときから不思議と顔を合せなかった。


「お出かけですか?」


「散歩かな。することなくて暇だったから」


 そのとき、彼女が荷物を抱えているのに気付いた。


 ビニール袋二つ分の荷物。
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