私と彼の関係
「そうです」


 私はやっと返事をした。まるで教師に対して返すような不自然にはきはきとした口調になってしまった。


 そんな私を見て、彼は少しだけ笑う。


「そんなに緊張しなくていいよ。同じ学年なんだし」


 彼の言葉にうなずくが、それ以上の言葉が出てこなかった。


 親しくなるチャンスだということは分かっていたが、いつも友達とどんなことを話しているのかさえ分からなくなるほど、口にする言葉がわからなくなっていた。


「そういえば、君の学校に」


 そのとき、空気の抜けるような音がリビングに響いていた。彼は立ち上がると、台所まで戻っていく。それから手際よく準備をしていた。


「戻ろうか」


 彼はさっきの話を続けるようなことはしなかった。間をもたせるために、適当な話を持ちかけてきただけなのだろう。


 結局、私はついてきながら何もすることができなかった。そう思うとついてきてしまったことが申し訳なくなっていた。




 彼の両親が帰ってきて、ごはんを振舞ってくれた。彼のお母さんはかなり料理が上手な人だった。


 作ってくれたごはんはすごくおいしくて、彼はいつもこういうものを食べているんだということをなんとなくだけど知ることができた気がした。


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