私と彼の関係
 思わず出てきた言葉に、彼は「あ」と声を漏らす。


「軽食で。パンとか」


「好きなパンならチョココロネとか、アンパンとか。サンドイッチとか」



「もうそれくらいでいいよ。じゃあ、行くか」


 彼は歩き出す。さっきから彼が何を言おうとしているのか、そのときには分からなかった。


 学校へ近づいてくると、彼の学校の生徒と、私の学校の生徒がちらほら見かけるようになった。


中には、特に彼の学校の生徒が彼と私を指差している人をいた。それに伴う鋭い視線に身じろぎしそうになる。彼はそんなことを気にするそぶりもない。
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