誰よりキミが…
「えぇ!!!うわぁー久しぶり」


池本は、おどけたように言う。


「ひ…久しぶり。」


「あーごめんな、なんか急に呼んじゃって」


「あっ全然…いいの」



    
二人のあいだに沈黙の空気が流れる。





私がこの人に恋をしたのは、


いつ頃だったかなぁ…。


~3年前~


「ねぇっ!!池本、麻里のことすきだって!!」

「えっー!?ないってないって」

「えーあるって。ね?ハル」

「うん!告っちゃえよ、ね!!」


「えー無理だよー」



私はこの人に告白しなかったことを




どれだけ後悔しただろう?




泣いて笑って切ない恋を



私は一生



忘れたくないと思った。




でも




もう良いって思ったから。





思い出にしようって決めたから




心の奥底に



しまっておいたのに。




まさかこんなところで




出会うとは…。



「おーい立石!」


池本に呼ばれてはっとした。
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