snow flake〜罪な恋に落ちて〜
「恋クンごめん、急用思い出した!」
彼の言葉に被せるように言い放ち、今度こそ本当に席を離れた。
足早に入り口を出て、エレベーターを待つ。
幸いにもすぐにきたので、急いで閉まるボタンを押す。
誰も追いかけてくるワケないのに…
一刻も早く、この場を去りたかった。
急用なんてなかった。
嘘だってバレても構わなかった。
ただ、逃げる為の口実。
怖かったの。
椿の過去を知るのが。
嫌だったの。
あの笑顔をたった1人に向けてた事実を、つきつけられるのが。
この気持ちも、恋というのなら、一夜限りだから。
今夜だけは、ただ甘い夢を魅ていたかったのに――。
体の奥から熱いものがこみ上げてくる。
いつから、私は泣き虫になったんだろう…
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