【完】最期の嘘


しかし、無理矢理上げた汐のその顔を見て、礼治の殆ど変わらない無表情が崩れる。



泣き腫らしたせいで、いつもは大きな目元は瞼が腫れぼったく、奥の瞳はくすんだ色をしている。



まるで、その色はクレヨンの黒みたいである。



白目は赤く充血し、痛々しい、心が裂かれそうなくらい痛む。



頬は温度と生気を失い、真っ青になり、汐の小振りないつもは真っ赤な唇は青白くなっている。



礼治は堪らず、汐の細い身体を強く抱きしめた。
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