【完】最期の嘘
二人は頼んだチョコミントアイスを黙々と食べる。



口に広がるチョコのビターなほろ苦さと、ミントのすっとする爽快な甘さ。



優太はそのアイスのスプーンを止め、汐に話し出した。



「ゴメンな、急に。汐ちゃんには礼治君がいるのにな。」



優太の言葉に、汐は首を左右にぶんぶん振る。



「礼治さんとは、大分前に別れました。…私が、中途半端な気持ちで礼治さんを受け入れたから。」



汐の言葉に、優太はサングラスの奥の瞳を見開く。



「それ……マジ?」



「本当です。」



汐が小さく頷くと、優太の顔は嬉しそうに微笑んだ。
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