【完】最期の嘘
「じゃあ……俺が汐ちゃんの彼氏に立候補していい?」



「えっと…あ、あ…はい。」



汐はまだ完全に状況を掴めずあたふたと返事をするが、優太は更に嬉しそうに笑った。



「マジ…嬉しい。俺、酷いことしたってずっと後悔してたんだ。だから…もう、嘘をつくのは止めようって、ね。」



照れ隠しにぱくりと一口アイスを食べる。



広がるほろ苦さと爽やかな甘さが自分の気持ちに重なって優太は笑みが零れっぱなしである。



そんな優太に、汐も優しく微笑んだ。
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