【完】最期の嘘
礼治はしばらく篥のショートボブを触っていたが、飽きたらしくキャベツを焼き始める。



「ユータ、偏った食べ方、めっ!野菜食べて。」



まるで小さな子供に諭すように言われ、優太は苦笑。



今の「めっ!」は礼治君のファンが見たら堪らんだろうな。



優太は無表情に近い礼治のほわーんとした整った顔を見ながら思った。



「ね、ユータ。」



そんな礼治は、再び優太に話し掛ける。



「どうしたの?」



「しーってさ、フリー?俺、ああいう媚びない子、好き。可愛いし。」



礼治のストレートな質問に、優太は飲んでいた生ビールをぐっと喉で詰まらせた。
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