ずっと大好き…この恋は秘密 …


『それはダメです』


想像通りのみのりの答えに
浅井は笑った。



「絶対言うと思った(笑)」


『…』


「…佐倉?」


黙ってしまったみのりに浅井が心配そうな声を出す。


『え…あ、ごめんなさい。

ぼーっとしちゃって…』





…珍しいな。




「考え事?

来月の就職試験?」


『よく覚えてますね(笑)

試験は10月2日なんでまだちょっと時間あるし…

あたし先生に気に入られてるから多分大丈夫(笑)』




みのりの言葉に浅井は微笑んだ。






…普通なら自意識過剰とか

色々思うけど…


佐倉は多分

先生にも可愛がられてんだろうな…





今日教えた教習生を見て
浅井はみのりの従順さや素直さを実感していた。




『教習所の先生もみんなよくしてくれたし…


渡辺さんって知ってますか?

8回くらい一緒になったんですけど優しくていい先生でしたよ』


「あぁ、渡辺さんか。

よく喫煙室で一緒になる」







…そういや、夏休みくらいに

『今時の高校生も悪い子ばっかじゃない』

とか何とか言ってた気がする。




…佐倉の事だったんかな



「…月曜日今度は晴れるといいな」


電話の向こうで
みのりが少し黙って…

明るく言った。


『あたし晴れ女だから大丈夫ですよ』








…月曜日、全部話すよ。


沙紀の事も…


佐倉への気持ちも…




「オレも(笑)」


浅井は笑って答えた。




.
< 122 / 475 >

この作品をシェア

pagetop