ずっと大好き…この恋は秘密 …

2日後の9月最後の日
浅井は無事退院した。



就職試験への面接練習や
軽い時事問題の補習に終われ
病院に行けなかったみのりだったが…


from.悟くん
sub.祝!!退院!!
――――――――――――

遼兄無事退院〜!

これから
ケータイ買い行ってくんね〜♪

――――――――――――


という悟からのメールに安心していた。



「ってゆうか土曜なのに学校って…」


「文句言うな。

あたしだって電車乗ってわざわざ来てるんだから」


みのりが何気なくもらした文句を祐が止める。


10月に就職試験を受ける生徒が集められたため、
10月後半に試験がある祐も補習を受けていた。



「ね、祐ちゃん結局どこにしたの?」


「保険会社。

セールスとかじゃなくて事務で募集があったから…

接客はやだしね」


監督の先生の目を盗みながら
祐がこそっと話す。


「…接客かぁ」






…教習所の先生って接客業になるのかな?


生徒は客?


でもそうなると学校の先生だって…





「じゃ次のプリント終わったやつから帰っていい事にするからな」


先生が配ったプリントに目を通すと

嫌になるほどの数の問題が並んでいた。



みのりがため息をもらそうとすると

隣から一足早くため息が聞こえた。


「…やるしかないね(笑)」


うんざり顔の祐を見て

つぶやくように言うと
祐がみのりに苦笑いして頷いた。







…とりあえず試験頑張らなくちゃ。





試験後の浅井の誕生日のことばかり考えてしまう頭に言い聞かす。



うんざりするような目の前の問題も

その先に待つのが浅井の誕生日パーティーだと考えると

少し楽しくなる。




思わずにやけたみのりの机を

祐が軽く蹴飛ばした。





.
< 163 / 475 >

この作品をシェア

pagetop