ずっと大好き…この恋は秘密 …
1..恋に落ちた瞬間

校外教習1回目



9時5分前


教習所のロビーで次の教習の呼び出しが始まる。


「佐倉さん、12番車」



受付のおばさんのその言葉に、

みのりはロビーの固いイスから立ち上がり
外に出た。



向かった先には数十代の教習車が並んでいる。


その車の中から『12』の番号のついた車を見つけ出し
運転席のドアの前に立った。




8月に入ったばかりの
真夏の日差しが

みのりに容赦なく降り注ぐ。










先週、仮免に受かったみのりは今日が初めての校外教習だった。


教習手帳を片手に

みのりが少し緊張しながら
始まりのベルを待っていると

少し耳障りなベルの音が教習所に響いた。



ベルを合図に

先生達がぞくぞくと外に出てきて
自分の担当の車に乗り込んでいく。


周りの車に先生が乗り込むのを横目に見ていると

みのりの方に向かってくる1人の先生に目が止まった。




…制服着てるし先生だよね?



みのりがそう思うのも当たり前で…


おじさん先生だらけの中に
1人だけ20代の茶髪の先生が混じっている。



…別に教習所の先生は
茶髪でもいいのかな…


学校じゃないし…



そんな事を思いながら見つめていると…

顔をあげた先生と目があった。





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