ずっと大好き…この恋は秘密 …


「手帳貸して」


先生の言葉に、

みのりが持っていた手帳を差し出した。


「校外1回目か…

とりあえずコース内の端っこに止めて」


そう言って乗り込んだ先生に続いて
みのりも緊張しながら運転席に乗り込む。




言われた通り
コースの端に停車すると

車から降りるように言われた。


「まずはトランクの点検からね」


先生がトランクを開けてみのりを手招きする。



「停止表示板、ジャッキ、もう一つ必ず入れとくものがあるんだけど…

なんだか分かる?」


急に聞かれて
少し戸惑ったみのりが難しい表情を浮かべて…

首を傾げながら口を開く。



「…非常食?」


真面目に答えたみのりを見て

突然先生が笑い出した。


「…え、違いますか?」


「違っちゃいねぇけど…(笑)

ただしくはスペアタイヤ」


先生の言葉に

みのりが顔を赤くしながら気まずそうに苦笑いをこぼす。



「まぁ…あとは

山に行くなら非常食。
宇宙に行くなら宇宙食とか…」


ニヤニヤしながら
からかうように言う先生に

みのりも少し笑いながら答えた。



「…からかわないでください(笑)」




第一印象で


なんだかクールで無口っぽいと思っていたみのりだったが
先生の話しやすい雰囲気に少し安心を覚えていた。



「じゃあ乗って。

校外でるから」



先生の言葉に

さっきまでの緊張を取り戻したみのりが慌てて頷いた。




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