ずっと大好き…この恋は秘密 …
車の中は暖かくて
感覚のなくなった体が温まっていくのを感じた。
無言のまま時間が過ぎる。
みのりは隣で黙る圭司よりも
久しぶりに見た浅井の事で頭がいっぱいだった。
浅井さんは何も変わってなくて…
なんだか少し安心した。
変わらないで欲しい…
隣で見ていられないなら
せめてあたしの知ってる浅井さんでいて欲しい…
膝のあたりで握りしめている手を見つめながら
浅井の事を考えていたみのりに
圭司が声をかけた。
「佐倉…
オレと付き合って欲しい」
みのりは圭司を見られなかった。
甘えたい気持ちが…
ずるい気持ちがあるのも事実だった。
この気持ちから
このつらさから解放されたい…
そんな気持ちがみのりを頷かせようとする。
でも…
どうしても
どうしても…
浅井さんの笑顔が
声が…
頭から離れない。
圭司くんはこんなに優しいのに
圭司くんが浅井さんならよかったのになんて…
そんな酷い事を考えてる。
今隣にいるのが浅井さんならどんなに幸せだろうなんて…
あたしはなんて酷いんだろう…
振られても
振り向いてもらえなくても
もう会えなくても…
それでも
浅井さんが―――…
バンッ―――…!!
突然助手席の窓が叩かれ
みのりが体をすくませた。
びっくりして恐る恐る窓を見る。
――――――…!!
「浅井…さん?」
窓に両手をついたまま…
うつむいてた浅井が顔を上げた。
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