ずっと大好き…この恋は秘密 …



「おはようございまぁす…」


圭司がいないかビクビクしながら従業員室に入る。


「あ、佐倉さん。

おはよ〜」


部屋の中にはバイト仲間が1人いただけで…

みのりが胸をなでおろした。


ロッカーに荷物を入れてエプロンを取り出す。


「クリスマス何してた?」


隣でエプロンをつける先輩に聞かれて
みのりの顔が思わず緩む。


「え?!なに?!

なんかいい事あったの?」


みのりの顔を覗き込みながら騒ぎ立てる先輩に愛想笑いしていた時…

従業員室のドアが開いた。


「そりゃああったよなぁ。

年上の彼氏と」


振り向くより前に圭司の声が聞こえて…

みのりは振り向く事ができなかった。


「佐倉さん彼氏いたんだ〜。

いいなぁ…

ちなみに三谷くんは彼女いるの?」


「いないよ。

イヴに振られちゃってさ…

今、傷心なんだ(笑)」


圭司の言葉がみのりの胸を苦しめる。


その後

圭司と少しだけ会話をして先輩は部屋を後にした。


2人きりになり

部屋の中の空気が重くなる。


店内にまだ流れているクリスマスソングが寂しく聞こえる。


「つぅかもう有線変えた方がいいよな(笑)

いつまでクリスマス気分なんだよ」


圭司が笑いながら言う。


圭司の言葉に

みのりが振り向いて…




圭司の顔を見た。



いつも通り優しく笑う圭司の笑顔が…


痛々しかった。


「でも正月の有線になっても微妙だよな(笑)」


そう言ってまた笑う圭司に

みのりが口を開く。




「圭司くん

ごめんなさい」





圭司の笑顔を見ていられなくて…

罪悪感に耐えられなくて…





みのりが頭を下げながら謝った。






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