ずっと大好き…この恋は秘密 …


「…悲しかったんだから」


みのりが涙目で言う。


「ごめん」


「あたしはっ…

浅井さんと一緒にいられればつらくなんかないんだから…っ」


涙を必死に我慢しているみのりに浅井が微笑みかける。



「ごめんな」


「もう…

あんなの嫌なんだから…


絶対に嫌…」


みのりの言葉を聞き終わる前に

浅井がみのりのまぶたに優しくキスをする。


そのせいで

みのりの瞳にたまっていた涙がこぼれ落ちた。



涙を手で拭きながら

浅井が真剣な顔でみのりを見つめる。



見つめ返すみのりの目が怯えているように見えた。


思い出してしまった不安が
みのりの瞳から溢れ出ていた。


そんなみのりの姿に切なさが込み上げてきて…

浅井がつらそうに顔を歪ませた。






「もう…

絶対に離さねぇよ」






その後

重なってきた唇に

みのりがゆっくりと目を閉じた。






ラジオだけが流れる車内で


人通りも気にしないで

何度も何度もキスをした。



途中、浅井がキスの合間に言った。



「…好きだよ」


「…昨日の罰ゲーム?」


そう聞くみのりに浅井が笑いながらまた唇を重ねる。



「…それだけじゃねぇけどな」




そう言って笑う浅井がかっこよくて…


胸が締め付けられて…




半分とろけそうな目で浅井を見つめた。





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