ずっと大好き…この恋は秘密 …



あ…

消えちゃった…



「みのりっ」


消えてしまった相合い傘をぼーっと見つめていた時

浅井に呼ばれた。


みのりが振り向くと
小さくなった浅井の姿が見えた。


「やっぱ一緒にこいよ」


ズボンのポケットに手を突っ込みながら言う浅井に

みのりが笑顔で頷き歩き出す。


ブーツのヒールが砂に埋まって歩きにくそうにしていると

途中まで迎えにきた浅井が笑いながら手を差し出した。


「変な歩き方(笑)」


「浅井さんが急に来いなんて言うからだもん」


「関係ねぇし(笑)

…なんか振り返ったらさ
みのりすごく小さくなってて…

なんか心細そうだったから…

1人で待たせとくの心配になった(笑)


ほらっ…行くぞ」



みのりが膨れながら浅井の手を握る。


ポケットに突っ込まれていたせいか

浅井の手が温かくて…


自然と笑みがこぼれる。






別に心細そかったわけじゃないけど…


消えちゃった相合い傘が…

少しだけ悲しくて…



でもあんなの浅井さんには見せられないし…

ってゆうか…


誰にも…

見せられないし。





表情を曇らせたみのりに浅井が海を見ながら口を開く。



「なぁ、近くに水族館あるから行かねぇ?

ここにいたら風邪引きそうだし」


身震いしながら言う浅井に
みのりがしがみついた。


「水族館?!

行きたいっ」


「じゃ、決定な」


急に明るい表情に変わったみのりに微笑みながら浅井が言った。





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