ずっと大好き…この恋は秘密 …


「部屋に入りたくないって…

今までは普通に行ってたんでしょ?(笑)」


祐が笑いながら言う。


最近は合同体育も球技選択で
早い話が自習だった。


好きな球技を体育館で行う。


卒業を間近に控えて先生も完全に気が抜けている。


先生も教官室から出てこないので
半数の生徒は床に座り話し込んでいた。


「だって…知っちゃったら行きたくないよ。

あの部屋にあるものは全部沙紀さんが触ったものなんだよ?


…なんかやだ」


「じゃあ浅井さんにもそう言いなよ」


「それはっ…」


祐の厳しい言葉に
みのりが口ごもる。


「…まぁ同情するのもわかるけどね」


みのりの思いつめた顔を横目で見て
祐が言った。


祐の言葉を聞いて
みのりが驚いて祐を見た。


「…どうしたの?

祐ちゃんらしくない…」



いつもなら

『同情なんかしたって仕方ないでしょ』

とか

『割り切れって言ったじゃん』

とか言うのに…



「だってそんな悩んでるみのり見たら何も言えないよ。

でもさ…

みのりが諦めるか奥さんが別れるかしかないんだから誰も傷つかないなんて無理なんだよ。


奥さん傷つけたくないなら…

みのりが諦めるしかないじゃん」



「それは…無理だよ。

ってゆうか…


あ〜…もうやだ。

考えたくない…」






…わかってるよ。


まだ自分が割り切れてない事ぐらい。


だけど

無理に割り切って沙紀さん傷つけて…


あたしって何なんだろう…








本当に離れなきゃいけないのは…



沙紀さんじゃなくて…



アタシ…





ふと頭に浮かんでしまった事にびっくりした。






何考えてんだろ…








や、だってありえない。






あたしが浅井さんから離れるなんて…









ありえない…










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