ずっと大好き…この恋は秘密 …


「浅井さん…

沙紀さんも来てて…」


みのりが切り出すと浅井が優しく笑ってみのりの頭をなでた。


「わかってる。

…ちゃんと話しねぇとな」


浅井の言葉に安心していると
浅井がみのりの手を握って歩きだす。


「浅…

ちょっと…


教習所の中だし沙紀さんにも悪い…」


握られた手に動揺して言うみのりの言葉を浅井が遮る。


「オレはさ…

やっぱりみのりが大事なんだ。


沙紀には悪いけど

みのりと離れるつもりはない。

…この先もずっと。


みのりも同じ気持ちなら…

沙紀に同情するな」



浅井の言葉に…

みのりが浅井の手を握り返した。





その通りだね…


中途半端に気遣ったって…

何の意味もない。



傷つけてしまうんだから…




それでも沙紀の事を思うと


みのりの胸が痛む。




教習所の門の外に沙紀の姿を見つけた。


と…もう1人…


崇さん…?


うろ覚えの崇の顔が
近づくにつれてはっきりしてくる。


沙紀と崇は何かを言い合っているようで…


近づいてくる浅井とみのりに気づいて

沙紀の視線が浅井に向けられた。



その目が…


繋がれた手で止まる。



「…どうゆう事?」


沙紀が小さな声で言った。


「オレが聞きたいんだけど」


浅井の言葉に

沙紀が視線を浅井に移した。


「今日、昼休みにそいつが来て
色々沙紀の事聞いたよ」


その言葉に沙紀が崇を振り返る。


崇は何も言わずに沙紀を見つめ返していた。



冷たい風が

4人に吹き付ける…





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