365回の軌跡
夏もピークが過ぎ、残暑と少し秋の匂いを含んだ風が吹く様になった9月、私と優雨は海へ向かっていた。
仕事のため、あまり休めなかった優雨は、少し遅くなってしまったが約束を守ってくれた。それも私の休みの日に合わせて。日帰りの遠出だが私は嬉しかった。でも恋人ではないのだ。
「今日は暑くなりそうだ」
まだ東からの日差しを受ける車内で優雨はハンドルを握りながら、コンビニで買った飲み物を一口飲む。私服の彼は更に若く見えた。そして車に疎い私でも分かる、高そうな車。コロンで車内は優しい匂いに満ちていた。
「ごめんね?朝早くて。寝てていいよ?」
優雨は私をちらっと見て話かける。優しい。そして楽しい。私は完全に優雨が好きになっていた。でも海にまで誘ってくれてるのに、優雨は私のことどう思ってるのだろう。
「いいよ、平気。それより今から行く海水浴場は優雨行ったことあるの?」
優雨は少し間をおき、
「うん、一回だけね」
と言った。
「意外~!」
「なんでだよ?」
「優雨ってモテそうだし、色んな娘と行ってそうだったから」
本当だったらやだな。と思いながら。
「モテそうって言ってくれたことは素直に喜ぶけど、そんなに遊んでなんかないから」
「でも彼女くらいはいるでしょ?」
ずっと気になってたことを、軽く聞けた。私は自分にビックリしていた。
「いないよ?」
「え?」
私は自分で聞いておいて、ビックリした顔をする。嬉しい感じを見せたくない。
「もし彼女いたら別の女の子と海なんか来ないよ~!当たり前だろ?」
「そうだよね!」
私は心の中で小さくガッツポーズをした。
仕事のため、あまり休めなかった優雨は、少し遅くなってしまったが約束を守ってくれた。それも私の休みの日に合わせて。日帰りの遠出だが私は嬉しかった。でも恋人ではないのだ。
「今日は暑くなりそうだ」
まだ東からの日差しを受ける車内で優雨はハンドルを握りながら、コンビニで買った飲み物を一口飲む。私服の彼は更に若く見えた。そして車に疎い私でも分かる、高そうな車。コロンで車内は優しい匂いに満ちていた。
「ごめんね?朝早くて。寝てていいよ?」
優雨は私をちらっと見て話かける。優しい。そして楽しい。私は完全に優雨が好きになっていた。でも海にまで誘ってくれてるのに、優雨は私のことどう思ってるのだろう。
「いいよ、平気。それより今から行く海水浴場は優雨行ったことあるの?」
優雨は少し間をおき、
「うん、一回だけね」
と言った。
「意外~!」
「なんでだよ?」
「優雨ってモテそうだし、色んな娘と行ってそうだったから」
本当だったらやだな。と思いながら。
「モテそうって言ってくれたことは素直に喜ぶけど、そんなに遊んでなんかないから」
「でも彼女くらいはいるでしょ?」
ずっと気になってたことを、軽く聞けた。私は自分にビックリしていた。
「いないよ?」
「え?」
私は自分で聞いておいて、ビックリした顔をする。嬉しい感じを見せたくない。
「もし彼女いたら別の女の子と海なんか来ないよ~!当たり前だろ?」
「そうだよね!」
私は心の中で小さくガッツポーズをした。