ロ包 ロ孝
 俺は根岸にも連絡を取り、北田がどういうアプローチを舘野さんに取ったのかを聞いた。勿論再修練の事を伏せていた不満もたっぷり添えてである。

『すいません。その事情は後程ご説明します』

 根岸はいつも通りの落ち着き払った様子で話し始めた。

『北田を派遣するに当たっては、特殊機動隊という架空の部署を作りました。
 第一は作戦部隊、第二第三は実行部隊という事にしてあります。
 北田は第一特殊機動隊所属、三浦さん以下3名は第二隊所属です。
 実行部隊の更なる機動力強化という名目で、舘野さんに忍法を教えて貰えるよう、北田が手配しました。
 三浦さん達は只今、伊賀流忍法を修行しているまっ最中なのです』

 ふむ、なるほど。俺は三浦達の上司という事にでもしておいて、部下が世話になっている挨拶という事で舘野さんに渡りを付けるのがいいだろう。しかし何故再修練の事を俺に伏せておく必要が有ったのか、問い糾さねばなるまい。

「その再修練の事実を俺に報告して頂けなかったのは何故ですか? 何か秘密にしなければいけない理由が有ったんですか?」

『……いえ、私としては秘密にするつもりなど毛頭無かったのですが、当の三浦さんが「是非内密に願います」と申されまして……山崎さんの交替要員を手配する話も立ち消えになってしまいましたから、坂本さんに報告するタイミングを失ってしまったのですよ』

 根岸は躊躇する様子もなく返してきた。それは三浦から聞いた内容とも一致していたし、話の辻褄も合っている。今回は俺の取り越し苦労だったのだとしよう。

そうして根岸の言い分を飲んだ俺は、第二特殊機動隊隊長としての警察手帳を作るようにと彼に依頼した。


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