黒いペンキが零れた後は
「世の中には、知らないほうが幸せなこともあるんだ」

「え?」

「お前には、まだ分からないか」

ティオがそう言った瞬間、

キィィィー

ドアが勝手に閉まり出した。

その細くなった隙間から、ティオが言った。

「ほら、望んだ世界が迎えに来たぞ」




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