『縛』
「キツイいいかたして、
悪かった。
あれ、全部、遊び仲間だよ。」

そんな事、知らない。
別に興味もない。

とにかく、今は・・・


こんなやつにまで、
拒絶されたって事が、
ショックで、
その事実だけが、
心を占めていた。


悔しい。

もう、涙が止まらない。

人生で、何度めかの?
記憶にないような、
大泣きをしていた。


「今、ひとりになって、
どーすんだよ!!
甘えろよ?!

ここに・・・二人で
いるんだから・・。」

まったく見ていられないと
言って、彼が腕をのばし、
私を抱きしめる。


見た目からは、想像がつかない
随分強い腕が、肺を圧迫する。


お陰で、
ひきつけを起こした様な
あり様ではありつつも、
私は落ち着きを取り戻してきた。


「はあ・・・」

泣き疲れて、その腕の中で
ぐったりしてしまう。

「ちょっと、落ち着いた?」

腕の力を緩めずに、
彼はいう。

「うん。もう大丈夫。
ありがと・・。帰る。」

ぐったりして言った。

「サラ、明日休みだろ?
もうしばらく、一緒にいない?」


えっ・・・?



 
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