『縛』
 
げっ・・・

見つかった。


「マズイ・・。」

思わず、つぶやいた。

目の前の女が、
一瞬、ああって、
悟った顔をする。

「ちょっと、我慢して。」

って、小声で言って、
俺の方に指をのばす。


耳をかすり、
髪に指先が触れて、
ふわっと、彼女の肩口に
抱き寄せられた。

その肩に、顔を埋める。

きめの細かい肌、
触れていないはずの肌が
彼女の体温を感じる。

襟元の開いたニットに、
ドキッとした。

呼吸するたびに、
上下する胸元に、
いやおうなしでも目がいく。

心地よい体温に、

自然と腕が動いて、

彼女の腰あたりを抱いた。


 
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