愛は要らない


「よ、酔ってますね・・・?」


珍しく、というか、初めて綾野が遥に怯えている


「酔ってるけど、正気だよ・・・」


遥が動いて、ベッドが軋む

綾野が、ベッドの端まで逃げる


「綾野・・・」


遥が近づけば、鼻元をお酒の香りが掠める


「あの・・・っ」


腕を掴まれ、引き寄せられた


「────────ッ」


オレンジ色の明かりが消えて、綾野は遥の腕にしがみついた


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