愛は要らない
「寝よう・・・」
このまま起きていても、忘れようとして、逆に気になってしまう
─────ガチャ
寝室のドアが開いて、綾野が動きを止める
「あれ?もう寝るの?早いね」
優しい笑顔を浮かべた遥が、綾野に声をかける
「お、お帰りなさい・・・」
急な帰宅に、綾野は動揺を隠せない
「ただいま」
にっこり笑う遥は、いつもと何も変わらない
(やっぱり、忘れてる・・・?かなり、飲んでたものね)
安堵して、綾野は今度こそ忘れよう、と心の中で呟いた