愛は要らない


名前を呼ばれて見上げれば、心配そうに自分を見ている遥


「なんでもないです・・・。なんでも・・・」


遥は綾野を抱きしめて、不安が紛れるように髪を撫でる

けれど、綾野の不安は増すばかり


分かってる

この不安がなくなるために必要なことがなんなのか


───分かってる


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