逢瀬を重ね、君を愛す
視線を感じて隣を見る。
ニコニコ微笑む桜乃が目に入る。
恥ずかしさで、話題を変えようと、聞きたかった事を聞いてみた。
「そ、そういえばっ!!蛍さんと桜乃って幼なじみなんだ…よ…ね…?」
言葉をつむぐ度に、桜乃の顔がひきつっていく。
「……さ……桜乃?」
何か不味いことを言ったのか。
不安になって名前を呼ぶと、ガシッと肩を捕まれた。
「彩音…………誰に聞いたの?」
笑顔だが、背景が黒くみえるのは気のせいか。
「え……か…薫に……」
「帝かぁ!!!」
くわっと叫んだ桜乃に驚く。
――桜乃でも叫ぶんだ。
そう感想を思う彩音は桜乃へ投げ掛ける。
「幼なじみだってバレたら嫌なの?」
その言葉に、桜乃は落ち着き、正座する。
そしてポツリポツリ語りだした。