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椅子に座ると、無意識にため息が出る。
別にみんなと騒ぐのは嫌いじゃない。
ただ、先程細井に疑われたことや昨日のことを思うとはしゃぐ気にはなれなかった。
普段から真面目な方なので、まさか生徒指導室に呼び出されるなんて思わなかった。
おまけに、遠回しに援交みたいなことをやってるんじゃないかと疑われたのだ。
普通のことなら滅多にキレたりしないが、細井の言葉を聞いた瞬間、プチンとキレてしまった。
自慢じゃないが、援交どころか彼氏いない歴=年齢だ。
好きな人はずっと変わらずにそのまま。
無性に顔を見たくなるが、ちょうど先生が入って来たからサボるわけにもいかない。
もう一度深い溜め息をついた。
「テスト返しま~す。平均は71,5点。前回よりよくできてたね」
挨拶も出席も無く、テストが返ってきた。
――79点。
「うーん…」
あと1点欲しい所だが、苦手な英語でこれだけ取れれば上等だろう。
「坂本?さっきから大丈夫か?溜め息ついたり唸ったり…」