王国ファンタジア【流浪の民】
 不思議な輝きを放つチャームをグレードとバジル、それぞれに手渡す。

「エメラルドは癒しの石だ。上手く、お前たちの力になってくれると良いのだが」

「いいんですか? こんな高価なもの」
「使える者が持つにふさわしい」

 どう見ても、この日のために作られたものだ。

「……」

 この人は……事前に調べて、どれほどの事が自分に出来るのかを考えまくったのだろうか。

「そういえば。どうしてオレの名を?」
「メンバーリストを見た」
「! さすがだなぁ」

 茶化すような言葉のバジルに、グレードはギロリと睨みを利かせた。

 ベリルはそれに、クスッと笑いをこぼす。

「ブレスを浴びた者に、素早く治療を行ってくれ」

「もちろんです」
「おう!」

 完治はさせられなくとも、死ぬ事はなくなるかもしれない。

 後ろ向きな考えだが、それが精一杯だ。
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