王国ファンタジア【流浪の民】
“キイィ……”

「?」

 ベリルは、宿舎の1室に足を踏み入れた。

「変だな。外からは灯りが見えたのだが」

 ランタンの光とは違う、微妙な淡い青色をしていた。

「!」

 ドアの近くに目を向ける。

「隠れているのかね?」
「! どうして解った」

 突然、人影が空間から現れる。赤い瞳の青年がベリルを凝視した。

「そこに気配を感じた」

 しれっと言ってのけるベリルに、青年は唖然とする。

「どうしてこの部屋に?」
「灯りがついていたから」

 それに、青年はますます驚く。あの光は人間には見えないもののハズなのに……

「お前は、人間か?」
「こちらのセリフのように思うのだが」

 ベリルは眉間にしわを寄せた。
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