王国ファンタジア【流浪の民】
「わしの力ってドラゴンに通用すると思う?」

「利かんだろうな」

“バターン!”

 クラウンは思わずズっこけた。

「あっさり言うなや! ちょっとショックやん!」

「そのためにあらゆる者が集められたのだろう?」

 しれっと応えたベリルを、目を据わらせてクラウンは見つめた。

「その言い方……あんさん、なんか戦い方考えてるやろ」

「さあ。どうだかね」

 ベリルは、彼女の見た目と実際の年齢が異なる事に気付いていた。

 雷電の民は寿命が長いとされている。幻の民と呼ばれる民の1つだ。

「まあええわ。わし、こういう団体戦てした事ないから、あんさんに任せるわ」

 手をヒラヒラと振って、クラウンは女性用の宿舎に向かった。
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