王国ファンタジア【流浪の民】
[私の友がそれを教えてくれたのだ]

 数多くの謎かけを人間に投げかけ、それでも解らなかった“人”という存在。

 だが、彼はただそこにいただけだった。

 全てを許し、全ての命を愛して……

 人もまた、この世界で生まれ育(はぐく)まれている存在。なんの違いがあろうか。

{小さき者よ。我を友にしてくれるか?}

 ベリルは何も言わずに、柔らかな瞳で頷いた。

 ディナスはそれを確認して深く溜息を吐き出し、喜ぶように目を細めた。

 すさんでいた心が癒されていく……

{人々よ、我の愚かさを許してくれ}

 ドラゴンの体は光る粒となって空に散っていった。

「……」

 それを眺めてしばらく呆然としていた一同だが、

「倒した……のか?」
「倒したんだ!」
「やったぞ!」

“ワアァァァー!”

 兵士たちは一斉に歓喜の声をあげた。

 戦士たちも安堵の表情を見せる。


第2部 完

 next→第3部「終わりにある始まり」
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