王国ファンタジア【流浪の民】
 ベリルは納得し、

「他にも何か力はあるのかね?」
「それは……」

「サレンス様はものの温度も自由に変えられるんです」

 サレンスの言葉をさえぎってレジィが説明した。

「! ほう」
「……私にも喋らせろ」

 サレンスが不満げにつぶやいた。

「お前の事が自慢なのだろう」

 ベリルはクスッと笑って、なだめるように言った。

「そんな事より」

 サレンスはベリルを見て、再度確認する。

「本当は女。とかじゃない?」
「無い」
「……サレンス様」

「そもそも、どこをどうすれば私は女になるのだ?」

 ベリルは眉間にしわを寄せて、訴えかけるように問いかけた。

「なんとなく……」
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